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2009年9月13日 (日)

イタリア その1(建築規制と景観)

建築規制と景観

Photo_3

リアルト橋からのベネチアの街並み

日本の京都などにみられる町屋は2階建てで、瓦の勾配屋根が道から見えるのが普通の感覚である。その結果、日本人の馴染みの街並みとは道幅に比べて両側の建物は高くなく道には日が当たっている様であり、それは長い歴史の中で醸造されてきたものだろう。
これは多分に、日本家屋は木造軸組みであり火災に弱く延焼防止から道幅もある程度取る必要があったし、地震が多く構造上2階建てが限度だったためと思われる。現在日本の建築基準法の道路斜線制限という考え方は、この都市景観から発想されたものではないかと思っている。

Machiya日本の街並み

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道路斜線制限

対して、組積造の建築が発達したヨーロッパの都市では、軸組みと違って採光のための開口部が制限される組積造の建物に暮らしているがために、道のための採光より道に面して壁面積が最大限とることによって建物への採光を優先させると同時にパティオ形式としてパティオからも採光できる平面の考え方が出てくるのだろう。

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ローマの航空写真(google map)パティオ形式がよくわかる

京都の町屋は、道に面した正面は格子をはめた大開口を設け採光を十分取っているが奥行きが長いためパティオと同じように坪庭があり、坪庭からの採光を考えて作られている。

道幅に関係なく一定高さの建物が敷地いっぱいに立ち、道への採光は考慮されず影を生み、細い路地を進んで突然現れる広場が光と安らぎを与えるという景観が町全体に形成されている。この景観は、中世都市国家の面影をそのまま残すシェナやベネチアに顕著である。

Photo

シエナの街並み

Venezia

ベネチアの街並み 

それに比べてローマはある程度の道幅があり自然発生的な街並みというよりある程度都市計画の中で発達した都市に思えるが、フランスのパリに比べると古代都市が所々残るためはっきりとした秩序が見えない。スカイラインの統一など基本的な景観は保全されているが古代ローマとルネッサンス期の建物が並ぶとすれば無理はないかもしれない。

Roma_2

ローマの街並み

Pari

ローマの航空写真(軸ははっきりしないが街の色があらわれている)

Pari_2

パリの航空写真(ローマに比べて都市軸がはっきりしている)

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シエナの航空写真(地形に合わせた自然の形態で都市ができている)   

その反面、高層ビルが全く無い。パリであればデファンスのように高層建築が立ち並ぶ地域があるのだがローマには無い、ローマだけでなくフィレンツェにももちろんベネチアにも無い。都市全体に厳しい建築規制がかけられていることが容易に想像できる。単なる高さ制限ではなく建替えそのものを規制しているように思われる。地震がないからこそであるが美しい。

Roma

Roma2

サンピエトロ寺院から見たローマ市街(スカイラインは統一されている)

Parifukan

パリ市街  凱旋門からみたシャンゼリゼ通り(遠くに高層街のデファンスが見える)

東京を見てみると時代時代で考え方が変わりそれが幾重にも重なってすっきりした秩序が見えない。時代ごとにその時代の理屈や規制でで作られた建物が混在するため雑然とした印象を与える。

Photo_5

東京新宿区の航空写真 大きなビルと戸建て住宅が混在、戸建ての瓦の色も赤・青。緑とさまざま →街の色はグレー(色が混じった結果濁ってしまったグレー)

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